
インストラクター:ジェフ・オクルツリー
DVD 約60分 リットーミュージック ¥4,800
・Lenny White Introduction
・Title and Opening Talk
・Jeff Ocheltree Introduction
・Band Demo Performance
・Introduction of John Bonham
・About John Bonham’s Green Sparkle Kit
・Introduction of Mark Romans
・Mark Romance Demo Performance 1
・About Amber Vistalite Kit
・Mark Romance Demo Performance 2
・Introduction of Danny Carey
・Danny Carey Demo Performance
・with Danny Carey
・Introduction of Billy Cobham
・Introduction of Lenny White
・Lenny White Intervew
・John Molo Demo Performance
・with John Molo
・Snare Drum Tuning
・Andrew Shreve Demo Performance
・About Drum Heads
・Introduction of John Ferraro
・Studio Set-Up with John Ferraro
・John Ferraro Demo Performance
・with Dean Butterworth
・with Steve Smith
・with Mark Craney

ジェフ・オクルツリーさんです
ドラムテック、というとこの10年くらいですっかり定着した用語ですね。昔はドラムを運んだりするスタッフは、単に『ドラムローディー』と呼ばれました。言ってみれば『ドラム人足』くらいのニュアンスです。日本だともっとひどくて、単に『ボーヤ』と呼ばれて、ほとんど人間としての扱いを受けなかったりしたわけですが、そんな『ドラムローディー』から一歩踏み込んで、チューニングや機材の手入れなどをする『ドラムテック』という地位を最初に手に入れたひとりが、このジェフ・オクルツリーさんなんだそうです。『ドラムテック』とは、ドラマーにアドバイスをしたり、相談しながら作業を進めていく、ある種対等なスペシャリストなわけです。
そんなジェフ・オクルツリーさんですが、このDVDによって、日本では『ボンゾのドラムテック』として一躍有名になりました。そして実際この作品の見どころも『ボンゾが叩いたラディック』に尽きます。かつてボンゾがレコーディング等で実際に使用した、あのグリーンスパークルのラディックが実際に登場し、当時のままのチューニングを再現してくれるというわけなんです。ボンゾのチューニングというと、まことしやかに「かなりハイチューニングだったらしい」なんて言われてましたが、実際に確かめることはできなかったわけで、当時を知る人がこうして証言してくれたということは、かなりエポックメーキングな出来事だったわけです。

”あの”グリーンスパークルキットです
DVDの冒頭から、早くもグリーンスパークルキットが登場です。オクルツリーさんはキットの概要を丁寧に説明して、さらに実際にひとつづつのドラムを叩いて、なおかつマレットを取り出して表裏のテンションの違いまで説明してくれてます。こうして音で聴いてみると、なるほどかなりのハイテンション。もうパンパンに近いチューニングだったことがわかります。でかいドラムをハイテンションにチューニングして、パワーと遠鳴りで低く聞かせる、というボンゾサウンドの秘密がここに明らかになってしまったわけですよ。
やっぱ14のタムが欲しくなるよねえ、これ見ると……(笑)あと、スネアがいい音してること! まさに当時のボンゾサウンドそのまんまです。ジェフさんは「スネアの表はミドルハイくらい」と言ってますから、スネアだけはそんなにパンパンってことはなさそうですね。

Mark Romanceさん、素手でがんばってます
ここで叩き手の登場。Mark Romanceというドラマーが出てきて、”Moby Dick”をやってくれます。ちゃんと素手叩きも再現して、かなりの完コピぶりです。まあ、手手足三連が右手スタートだったり、細かいところは違うんですけどね(笑)そんな重箱の隅をつつく必要はないでしょう。実際、かなりボンゾな音です。
ただしこの人、スティックを握る右手の小指が立ち気味なんですよねえ(笑)。それがちょっと気になったりして。

テックのお仕事
次にボンゾがライブで愛用したラディックのアンバービスタライトキット(これは本物じゃないらしいけどね)を持ち出して、実際どうやってヘッドを張ってチューニングしてたか、再現してくれてます。バスドラにはフェルトミュート、というのが基本だったみたいだけど、『狂熱のライブ』だと何にも入れてないように見えるんだよなあ。
ボンゾ関係のコーナーはここまで。次からはジェフさんが手がけた様々なジャンルのキットとドラマー達が登場します。

パイステ製、オール金ドラムです
パイステのシンバルを一貫して使っていたボンゾですが、オクルツリーさんもパイステとは関係が深いらしく、自身のシグネチャーモデルとして、パイステ2002シンバルの合金を使ったメタルスネアを作っているそうです。そしてこれはその合金でドラムセット全部を作ってしまったというもの。もうキンキラキンに黄金色です。お寺に置いたら似合いそうな勢い。
この後はさらに様々なジャンルのドラマーが登場し、ジェフさんとの関係を語り、軽くドラムをプレイして見せてくれます。何だか全体に『ジェフさんの交友録』といった感のあるこのDVDです。実際に、ドラムテックにあこがれてる人が『ドラムテックってどんな仕事だろう』と思って見ても、あまり参考にならないと思いますねえ。なんせジェフさんはいい人で、ドラマーみんなに好かれてる、ってことはよくわかる作品です。いいテックになりたけりゃ、ドラマーと友達になれなきゃダメだぞ、とジェフさんはおっしゃってるわけですね。テックを目指す人はこんなDVDなんて見てないで、外に飲みに行った方がよさそうです(笑)。